「今、すごく腹が立つんです!」
Aさんは毎朝の法座で話を切り出しました。
ある日、Aさんのお母さんが家に遊びに来たときのこと。そのお母さんがトイレから出るなり、「Aちゃんは、トイレ掃除してるみたいやけど、隅っこの方は、キレイになってないわよ~。」と。それを聞いたAさんは、最近トイレ掃除を頑張っているだけに、そのお母さんの言葉が許せなくなったそうです。
教会長さんは「お母さんのその言葉の奥は、どんな心だったのかな? 言葉の中に、お母さんが実家でずっとトイレ掃除をしてきて、隅々から隅まで努力されてきた心が見えませんか? そのトイレをずっ~と使い放題してきたのは誰でしょうね?」
その言葉を聞いて、Aさんの顔の表情がハッと変わって、「私です。最近、トイレ掃除を一生懸命している私の方にばかり目が向いていて…、確かに母は、長い間、私が大人になるまでの間、私の今の努力より何倍もトイレを磨いてくれていました。わかりました。感謝です!」
それから、Aさんは教会に来て勉強に入ったり、法座に出られるようになりました。今、少しでも自分の器を広げて、人さまを受け入れていく心を作りたい!と決意をして努力をされています。